オンラインカジノで賭けをしたとして、警視庁は8日、プロ野球・読売巨人軍のオコエ瑠偉選手(27)と増田大輝選手(31)を単純賭博容疑で書類送検した。捜査関係者への取材でわかった。いずれも容疑を認めているといい、起訴を検察に委ねる相当処分の意見をつけた。球団側から警視庁に相談があり、同庁が2人に任意で事情を聴いていたという。
捜査関係者によると、オコエ選手は2022年7月と23年5月、スマートフォンからオンラインカジノサイト「ワンダーカジノ」などに接続し、「ブラックジャック」や「バカラ」などで賭博した疑いがある。増田選手も昨年10~11月、同様に賭博した疑いがある。オコエ選手は約700万円賭けて収支はマイナス450万円、増田選手は約300万円賭けてマイナス230万円だったという。
日本野球機構(NPB)とプロ野球12球団は3月、違法なオンラインカジノを利用した選手ら計16人に対し、所属先の8球団が総額1020万円の制裁金を科すと発表。そのうちオリックスの山岡泰輔選手(29)について、大阪府警は4月に同容疑で書類送検(その後不起訴処分)していた。また同月、オンラインカジノで賭博をしたとして、同庁は吉本興業所属の芸人6人を同容疑で書類送検していた。
警察庁の実態調査によると、オンラインカジノを国内で利用したことがある人は推計で約337万人、賭けの総額は年間1兆2423億円にのぼる。
巨人は所属選手2人が書類送検されたことを受けて8日、コメントを発表した。内容は下記の通り。
2名は本年2月20日、当球団がオンラインカジノの利用者は自主的に申告するよう球団の所属する全員に呼びかけた直後に名乗り出て、自ら自首したいと申し出た上で、スマートフォンの履歴や銀行口座の利用記録の提供にもすすんで応じました。2名は「開幕前に自らの過ちを正しておきたかった」と述べ、オンラインカジノの違法性を認識しないまま興味本位で利用していたことを深く後悔し、12球団で申し合わせた上限いっぱいの制裁金の支払いも異議なく受け入れています。当球団としては、今後の検察庁の判断等を踏まえつつ、適切に対処してまいります。
朝日新聞社